お久しぶりの新作です。
実はこれ、8月12日にupしたいと思って書き進めていたものです。
こんなに遅れてしまうとは思ってもみませんでした。。。
(ごめんねー(´;ω;`))

某所で記念SSとしてシリーズ化してたお話の番外編を書いてみました。
つまり…うちのオリキャラのお話ですww

では、遅ればせながら…
Happybirthday♡







そして父になる 番外編

 

 

 

どじょうさんとワタシ

 

 

 

 

 

「おはよう!」

「おはよ、くーちゃん、郁ちゃん!」

 

官舎から寮衛門へ向かう途中で郁と蔵人を待ってくれているのは、進藤家のナオとコウタだ。今年小学校に入学した蔵人と登校班が一緒なので、上級生として新入生をしっかりサポートするんだと頼もしい限りだ。

「蔵人いってらっしゃい!」

「ママも、いってらっしゃーい!」

「郁ちゃん、今日も頑張ってね~!」

「ナオちゃん、コウタくん、蔵人のことよろしくね」

「うん。どじょうさんにもよろしくねー!」

4人で手を振り合って別れる。

 

 

堂上家の長男、蔵人が誕生する際、ナオは特殊能力を発揮して、郁のお腹の中の子は男の子だと予言した。それだけでなく、まだ堂上夫妻の中でしか考えていなかった赤ん坊の名前についても、ナオは「くーちゃん」と声を掛けていて、蔵人と名付けようと思っていた夫妻を驚かせたり、出産前日には「明日会える」と告げられ、その通りに出産を迎えたり・・・とにかくナオは、堂上蔵人に関して神がかった存在だ。

 

蔵人が健康に育ち、小学校入学を迎えた。それまでには色々と図書隊の環境も変わったし、堂上家にはもう一人家族が増えたりもした。

蔵人の環境が変わることには心配もあるのだが、ナオの存在が心強く、彼女に頼っている。そのことでナオの父親である進藤には頭の上がらない状況だが、致し方ない。

 

「ふふふ・・・『どじょうさん』かぁ・・・」

郁は我が子の背中を見送りながら、同時に大きく成長したナオの姿も目に焼き付けた。

 

5年生になっても『どじょうさん』って呼んでもらえて。よかったね、篤さん」

 

 

郁はクルリと向きを変え、長女・真愛(まな)の登園の準備に官舎へ走り出した。

 

 

 

 

 

**

 

 

 

学区内の小学校は、基地から然程遠くない。蔵人の足でも15分程の距離の登校は、子供たちのささやかな楽しみの時間となる。

基地を出て少しすると、バス停の側で佇む男の子がいる。

「アツトくん、おはよう!」

「おっす、蔵人~!」

駆け出した蔵人に「走らない!」と注意しながら、ナオ自身は落ち着いた足取りでアツトに近付いた。

「宿題、見せて」

「は?挨拶代わりにソレ?失礼なヤツ」

「ナオ様、おはようございますっ!宿題を見せてください!!」

「ふんっ!どうせ、勝手に奪ってくくせに」

「へへっ♪ナオは隙があるからなぁ」

丁寧に頭を下げた後に、悪戯っ子特有の笑顔を見せるアツトは、ナオの幼馴染みだ。

「アツトくん、また宿題やってこなかったの?」

困ったように首を傾げる蔵人を二人で見下ろし、アツトはニヤニヤと笑い、ナオは溜め息を吐いた。この会話は恒例になりつつある。

「くーちゃん、アツトみたいになっちゃあ、ダメだからね!」

まるで母親のような物言いだ。

「んー・・・じゃあ、誰みたいになればいいの?」

「そりゃあ、どじょうさんだよ!くーちゃんは、パパみたいな人になるの!」

分かった?と蔵人の頭を撫でると、納得の頷きを確認して満足気にする。

「・・・出たよ。ナオお得意の『どじょうさん』」

「何よ、文句ある?どじょうさんはね、アンタみたいに宿題やらないで学校来るとか絶対に無かったの!」

「わかんねーじゃん」

「分かるの!お父さんが言ってたもん。どじょうさんのこと『優秀だ』って。子供の頃から勉強出来る人だったんだよ」

まるで自分の父親のことのように自慢げに語ってしまい、ナオはハッとして頬を赤らめ、それを誤魔化すように蔵人に声をかけていた。

アツトはつまらなそうに口を尖らせて、3人の後をついて行くだけになった。

 

 

 

 

**

 

 

 

 

昇降口で蔵人とコウタと別れ、アツトと階段を上がって行く。教室に入ってすぐ、ランドセルからノートを取り出しアツトに声をかけようとしたが―――

「アツトくん、おはよう!今日は宿題やってきた?」

鈴が鳴るみたいにコロコロとした声がして、ナオは口を噤んだ。その声の持ち主はクラスで一番人気の女子、レイナだと見なくても分かる。因みに、一番なのは男子からの人気というだけで、女子ウケは悪い。

 

「え、あー、やってない」

「やっぱりぃ!じゃあ、ノート貸してあげるけど?」

小首を傾げながらお伺いを立てる仕草は、男子には破壊力抜群なのだろう。これはきっと、二つ返事でノートを借りるのだろうと踏んだナオは、そっと机の中に自身のそれを仕舞った。

「え・・・いや、あのぉ・・・」

「遠慮しなくていいわよ。はい、どうぞ」

レイナは楽しそうに笑っているようだ。対してアツトは困ったような声しか出していないが、ナオは二人の姿を視界に捉えることはしなかった。

ちょっとしてアツトが「ありがとう」と答えているのが耳に届き、ナオはふうっと息を吐き出した。

 

 

 

 

**

 

 

 

昼休み。ナオは友達数人と共に図書室へ行く。少なくとも週に一度はそうしていて、学校にある本のことなら何でも知っていると言えるくらいになっていた。

 

「ねえ、今日のレイナ、どうよ?」

「あー、何か、無駄にキラッキラしてたね。テンション高くって」

「アツトくんのご機嫌取り、上手くいったから?」

「・・・さあ?」

ナオは素っ気ない返事で、さも気にしてないと言う態度を見せるかのように本に集中していた。

「でもさ、アツトくんは迷惑そうにしてたよ?」

「うん。ナオに助けを求めるみたいに見てた」

「朝、宿題見せてって言われてたんだよね。ノート貸そうと思ってたんだけどさぁ・・」

「なーんだ、やっぱりね」

「アツトくんはさ、ナオに頼りたいんだよね」

当然のことのように言われて、若干恥ずかしさが勝る。

「とか言いつつ、レイナの申し出も断れない。ヘタレだよ、あいつは」

アツトを貶めて笑い合うと、女子トーク特有の“その場限りの優越感”ってやつを感じられる。それを得たいために話を盛ることもあるのだから毎回罪悪感を感じることもないのだが、アツト絡みとなるとそれを無視していいものかとも思う。

 

「それにしてもよ。レイナにはムカつくねー!」

「うん。男子の前とあたしたちと話してる時と、全然違うもんねー!」

「男子はさ、ああいうのにコロッと騙されてんだよね」

「「ホント、バカだよねーっ!」」

女子の総意は息が合う。

「大人もさ、そういう感じなのかな?」

「うちのママ、よく言ってるよ。パパはダメだって」

「うちも!『男ってバカよね』って」

「大人になっても変わらないんだ。男子って成長しないんだね」

クスクスと笑っている。

 

「・・・そんな大人ばっかりじゃないと思うけどなぁ」

ナオは小さく呟いた。

「うーん。ナオんちは、ママが強かったりしないの?」

「うんにゃ、もの凄く強いよ」わははと豪快に笑う。

「じゃ、誰よ?」

「えっ!?」

「さっきの発言、誰か大人の男の人を思い浮かべてなかった?」

「あーー・・・」

ナオは宙に視線を泳がせた。浮かんでいたのは確実にある人たちなのだが、それを学校の友達にどう説明したものか。いやそもそも、話してもナオの考えは伝わらないと思うが。

 

「うちも、お母さんの方が断然強いけどね。でも、お父さんのこと『バカな男』って言ったりはしないんだよね。暇さえあればミリタリー雑誌とか読んでるから、いつまで経っても子供っぽいって言うくらいで。お父さん、女の人に騙されるような感じじゃないしね」

「ふ~ん。ナオのパパって図書隊だよね」

「うん、防衛部。・・・って、分かる?」

「うん、戦う人たちね」

「そそ。あたしが小さい頃は、スナイパーとか言われちゃっててさ。普段おちゃらけた人なんだけど、なんだか凄かったみたいなんだよね。同じ特殊部隊の人たちが、よく話してくれたんだ」

「へ~ぇ、カッコいいじゃーん!」

それはちょっと予想外の反応で、若干恥ずかしい。

「うちのお父さんだけじゃなくて、特殊部隊の人たちって、みんなそんな感じなんだよ。だから珍しいってこともないし」

「えー、いいなぁ。そういう自慢できるような大人が近くにいて。なーんか、羨ましいよねぇ?」

「うんうん。私、パパの会社の人とか、全然知らないもん」

「そうだよねぇ。話してるの聞いても、お酒飲んだ時のことばっかりでさ。愚痴とかしか言ってなかったよ」

そうして友達みんなに「羨ましい」と手放しで言われると、恥ずかしい気持ちは徐々に誇らしいものに変わっていく。

 

ナオにとって父親の職場は身近な存在である。いくら世の中の大人が「戦闘職種」と括るような仕事でも、父親が居る(守る)のは図書館だ。自分のテリトリー内であることが一番の安心感を与えていた。

その父親の仲間である特殊部隊の人たちは、揃いも揃ってイクメンで。未婚者であっても子供好きが多く、いつでもナオを快く受け入れてくれていた。

ただ遊び相手になるだけでなく、時には父親代わりとなり、時には友達のように相談に乗ってくれたり・・・と、色んな場面でナオを助けてくれる存在だ。

 

だから、今のこの状況を相談したいと思う。

所謂幼馴染みの男の子の動向が、実は気になって仕方ない。

それをどう表現したらいいか、困ってしまっている自分の気持ちを―――

 

 

 

 

**

 

 

 

社会の授業中、ナオにはお馴染みの言葉が登場し、それをテーマに宿題が出た。

 

「メディア良化法を考える・・・って、ウチは親に訊いても分かんないと思うなぁ」

「私も!先生っていっつも『親子で話し合ってきてください』とか言うけどさ、あんまり盛り上がらないんだよねー!」

「3年生の時の担任にね、お母さんは忙しいから時間が無いって言ったら、おじいちゃん、おばあちゃんでもいいよーって言われたことあるよ」

「うんうん。学童の先生でもいいって。でも学童の先生に訊いたら、そういう事はおうちの人に訊きなさいって言われたけど」

学童出身者は苦笑だ。

「つまりは、身近な大人に訊けってことだよね」

「そうかも。あ、ナオのとこはいいじゃん。お父さん図書隊だもん」

「今回のテーマはね。でも、多分ムリ」

「なんでぇ?」

「んー、何となく。それよりさ、あたしはこのテーマなら訊きたいって人が―――

 

「ねえ、ウチのパパなら詳しく話してくれると思うけどぉ?」

 

ナオが話し終える前に飛び込んできた声は、レイナによるものだった。

あちらも仲間と同じ話題で盛り上がっていたらしい。

「そうだよね!レイナのパパって、政府関係者だっけ?」

「まあね。だからこういう話題は、いつも丁寧に教えてくれるの。もしよかったら、みんなも一緒にパパの話を聞かない?」

レイナのお取り巻きたちは表情を明るくし、是非にと懇願した。その様子を黙って見ていたナオたちにも誘う言葉を寄越したが、ナオは丁重にお断りをした。

「そうよね、進藤さんはダメよね。じゃあ、渡辺さんたちは?おうちの人に訊けないようなら、来たらいいわよぉ」

「え・・うん・・・でもぉ」

ナオの友達は、遠慮するような素振りだ。

「いいじゃない、行っておいでよ。あたしのことは気にすること無いからさ」

ナオは友達に笑顔を見せて席を立った。

教室を出る直前、レイナがアツトにも声をかけているのが耳に届いたが、動揺する自分を隠すように足早に立ち去った。

 

 

 

 

**

 

 

 

 

「おい、ナオ!」

 

背後から呼び止められ驚いて振り向いたが、その途中で相手が誰だかは分かっていた。

「アツト、どうしたの?レイナの家に行くんじゃなかった?」

「あー、それ、行かない」

「・・なんで?」

「行きたくないから。それより、お前は?父ちゃんに話聞くなら、家に帰ってからでいいんじゃね?わざわざ図書館来なくても」

「別にいいじゃん。あたしの勝手でしょ!」

ナオは踵を返して図書館へ向かった。何故かアツトも後をついて来るのだが、ナオはそれを咎めたりはしなかった。

 

 

 

 

武蔵野第一図書館の受付カウンター内を背伸びしながら覗き込んでいると、若い図書館員に声をかけられた。

「何かお困りですか?」

「あ、あの、柴崎・・・じゃなくて、手塚さん!手塚さんはいらっしゃいますか?」

「館員の手塚、ですか?あの、どういったご関係―――

「ナオちゃん!」

「あ、麻子ちゃーん!」

カウンター奥から柴崎が早足で出て来てくれた。

「倉田一士、こちらは進藤二監のお嬢さんよ」

「え、あ、防衛部の・・失礼しましたっ!」

ぎこちない敬礼をされ、ナオは苦笑する。

「ごめんね。どうしたの、レファレンスが必要?」

「ううん。あのね、今日って、どじょうさんは忙しいかなぁ?」

「堂上教官? ナオちゃん、グッドタイミング!今ね、笠原と二階に居るわよ」

 

柴崎はナオに、堂上の居場所を丁寧に教えてくれた。聞くと、堂上と郁は稲嶺からの直々の依頼事のために、専門書を探している最中だと言う。

「なあ、ナオ。どじょうさんに話聞くのか?」

「うん。どじょうさんはね、今は特殊部隊の副隊長なんだよー!」

「・・・へえ、すげぇ人なんだな」

「うん。すげぇ人、なんだよ!」

ナオはアツトに向かってニカッと笑って見せた。堂上を褒められると、自分のことのように嬉しくなるのだ。

 

階段を上がり、利用者が向かわない書架の方へ進むと、奥から話し声が聞こえてくる。

「―――これなんて、結構貴重な作品が載ってますよ」

「んー、でもカラー写真が少ないな。もっと鮮明に見えるものがいいんじゃないか?」

「じゃあ、こっち!これはなかなかの文献です」

「・・・そうだな。候補に入れておくか」

「イエーイ!」

郁がダブルピースを決めながら顔をあげると、ナオと目が合った。

「あれ、ナオちゃん?!」

堂上も振り返る。

「ナオ?」

「どじょうさん、郁ちゃん!こんにちは!」

駆け寄るナオに、アツトもついて行く。

「ナオちゃん、男の子と一緒なんて初めてだね~」

「あー、うん。アツトがね、ついて来たの」

「アツトくんって言うんだ。図書館に来るの、初めて?あたし、会ったことないよね?」

「いえ、初めてではないです。でも、二階は初めてかな」

「俺は見かけたことあるぞ」

「えー!篤さん、覚えてるんですか?!」

「まあな。お前より物覚えは良い方なんでな」

郁が膨れっ面を晒し、堂上が郁の頬を摘まんで「可愛いだけだぞ」と呟くと、ナオがこれ見よがしに溜め息を吐いた。

「もう、ほんっとにラブラブ夫婦だね~」

「・・・夫婦」

「そそ。どじょうさんがくーちゃんのパパなのは知ってるよね。郁ちゃんがママだよ」

「なるほどな」

何となく人間関係が掴めたところで、堂上がハタと気付く。

「ナオ、何か用か?」

「ああ、そうだった。あのね、どじょうさん。宿題を手伝って欲しいの」

「宿題?」

「うん、社会科の。メディア良化法を考えるって宿題なの」

堂上夫妻は顔を見合わせた。

「メディア良化法か・・・。進藤さんには?」

「きっとムリ。良化法が悪法だって話なら、喜んで話してくれると思うけどさ。宿題は、ちゃんと公平な目で見ないとダメだと思うんだ」

「ああ、確かにな。ナオ、お前は偉いな」堂上はナオの頭を撫でる。

「どじょうさん、時間ある?」

「・・・郁、顧問の依頼はお前に任せていいか?」

「うん、粗方選書は出来たから、大丈夫!ナオちゃんたち、学習室に連れてってあげて」

今度は郁の頭を撫でると、堂上はナオとアツトを学習室へと案内した。

 

 

 

**

 

 

 

 

 

「メディア良化法がいつ出来たか、知ってるか?」

「うーんっと、教科書に書いてあったような・・・?」

「昭和の最後の頃だ。国内では若者が起こす事件が多発するようになっていた。それは凄惨な事件が続いて、学者と呼ばれる人たちはその理由付けをするために、若い世代の実情を研究するんだな。何がどう働いて、若者を凶暴化させるのか・・・。そうして一つの仮説が浮かぶ。テレビや雑誌などのメディアが与える情報の中には、悪影響となるものが多い――ということ。若者は、そういった情報の中から良い物だけを選ぶことが出来ず、悪いことも真似をすると結論付けた」

「つまり、悪い事をするのは、メディアが悪いってこと?」

「そうだ。子供たちに悪い言葉を教えているのはメディアだ、と国会討論で発言した役人がいたくらいだ」

ナオとアツトは顔を見合わる。

「難しい言葉で言うなら、公序良俗に反するものを取り締まる目的で作られた法律だ」

「こうじょ・・りょうぞく?」

「辞書で調べても難しい言葉を使った解説しかなくて、分からないかもしれない。公序良俗とは、一般常識の範囲内で許されること・・・だな。それに反するってことは、誰から見ても悪だと思われるもの。そういう悪は、目につく前に排除してしまえという考えからメディア良化法は生まれてるんだが。さて、お前たちは、このことについてどう思う?」

「うーん・・・悪いものを排除するのは、良い事なんじゃないかな」

「僕もそう思います」

堂上は二人の意見に対して頷いて見せる。

「そうだな、単純に考えたら良化法は正しい。だが法の施行後、若者の犯罪は目に見えて減りはしなかった。何故だと思う?」

「え・・減らなかったの?」

「ああ、現在に至るまで、緩やかに減少くらいにしか効果は無かった」

「何のための法律だったんだろう?」

「そう思うだろ?」

ナオとアツトは真剣な面持ちでコクリと頷いた。

「良化法は、元々はもっと規制の緩い法律だったんだ。取り締まりの対象が拡大される一方となったのは、本来の目的だった少年犯罪の減少とはならなかったからだな」

「なんで減らなかったの?」

「まあ、それには色々な要因があるんだが。お前たちにも分かる範囲で話そうと思う」

「うん。お願いします」

軽く頭を下げるナオを真似て、アツトも頭を下げた。

 

「今も昔も考えることが同じらしくてな。これは国民性ってものだと思うんだが、日本人には『転ばぬ先の杖』って考え方が根強い」

「・・・転ばぬ先の・・杖?」

「聞いたことあります。何でも先回りして準備しておくってことですよね」

答えたアツトに向かって、大きく頷いて見せる。

「本来は危険予測とか、万が一に備えるってことで、転ばぬ先の杖は必要な物だと皆が思っている。それは間違いじゃない。確かに、未来を予測して行動することは理に適ってるからな。ただ、それをやり過ぎるとどうなると思う?」

堂上の質問に、子供たちは真剣に考え始め、二人とも空を見つめている。

「例えばだ。公園にあるブランコや滑り台などで遊んでいて事故が起きた。二度と事故が起こらないように、役所の人間によって遊具使用禁止の貼り紙がされ、子供たちはそれらで遊ぶことが出来なくなった。これは、ある種の転ばぬ先の杖。未来の危険を排除した結果だ。二人は、これをどう思う?」

「んー・・・事故が起きないようになるのは良い事だよね。でも、ブランコとか使えないのは、ちょっとねぇ・・・」

「それは、遊びがつまらなくなるから、だろ?それとは別に、事故と遊具について何か思わないか?」

「必ず事故が起きるってわけじゃないと思います。気を付けて使えば、事故なんて起きないかもしれない」

「そうだな。今の話の中で、間違った判断だと思う点は?」

「気を付けて使いましょうって言わないで、すぐに使えなくしちゃったこと、かな」

堂上は頷く。

「人間は学習する生き物だ。自分で体験しながら物事を知って、それらが自分にとって利益になるように選択していかなきゃならない。それが出来る生き物なんだ。だから本当なら、世の中の良い事と悪い事の全てを知り、それを間違わずに選んで、正しく生きていくべきなんだ。でも、転ばぬ先の杖で初めから悪い事の選択肢を与えられず、それを知らずに育ったとして、大きくなってある日突然、悪い事と向き合うことになったとしたら?実は犯罪と言われるような悪い事だったとしても、そういう教育をされなかったから善し悪しの判断がつかない。そして、そこで誤った選択をして不本意ながら犯罪者となってしまう・・・なんてこともあり得ることだ」

二人の表情は真剣そのものだ。

「・・・メディア良化法も、転ばぬ先の杖?」

ナオが堂上の目を捉える。

「俺は、そう思うぞ。確かに、世の中に溢れる情報には、悪影響と言えるものが少なくはない。それを排除して無知な子供たちを守りたいと思うのも分かるが、善し悪しの判断が出来る大人になって欲しいと願っているのに、善いことしか見せない、教えないというのは間違いだと思うんだ」

「だからお父さんは、良化法を悪法だって言うのかな?」

「どうだろうな。それは直接訊いてみたらどうだ?」

ナオは頷くだけの返事をした。

 

「俺の話を聞いて、メディア良化法自体が悪だ、と思うかもしれないが、それもちょっと違うからな」

子供たちは意外だと言う顔をした。

「良化法自体は、それこそ一部には有効な法律だ。ある程度の規制は致し方ないと思う」

「・・・なのに、図書隊に入ったのはなんで?」

「んー・・・とりあえず言えるのは、良化法を憎んで図書隊員になったんじゃないってことだ。純粋に、本を守りたかった。検閲という強硬手段が許せない、ただそれだけだ」

「ふ~~ん・・」

少しばかり上の空のナオは、きっと自分の父親が図書隊に入った理由を考えているのだろう。そこは親子のコミュニケーションの中で真実が語られるといいな、と堂上は思った。

 

「どうだ?何か参考になったか?」

「はい。すごく勉強になりました」

堂上は、キリッとした表情を見せたアツトの頭を撫でる。それを見て多少の嫉妬心が湧いたのだろう。ナオも褒めて欲しいと言わんばかりに「どじょうさんの話は分かりやすい」とキラキラな瞳をして見せた。

「ナオは、進藤さんにも話を聞けよ。俺たちと違って、検閲の無かった頃の日本に生まれてんだ。また違った視点を持ってるんじゃないか?」

「・・・そっか。そうする」

素直なナオの頭も撫でると、郁が紙パックのジュースを抱えてやってきた。

「お勉強は捗ってる~?」

「わー、郁ちゃん、ありがとう!」

「ありがとうございます」

この時ばかりは子供らしい二人の姿に目を細めながら、堂上と郁は顔を見合わせて優しく笑っていた。

 

 

 

 

**

 

 

 

 

堂上から聞いた話を基に、ナオなりに良化法について考えたことをまとめてみた。更に思い出して、父親にも同じ話題を振ってみる。

進藤は時折困った表情をしながらも、相手は子供だと自分に言い聞かせて真面目に考えを述べた。それはナオが期待していた以上の内容で、実はこの日、父親としての評価がかなり上がったことを進藤は知らない。

 

各自調べてきたことの発表の日、朝からレイナたちはテンションをあげていた。どうやらレイナ父の話が専門的で、素晴らしいレポートが書けたと思っているかららしい。

ナオはそんな浮かれた空気を無視し、自分の考えをまとめた物を誇らしげに読み上げた。

 

「・・・私は図書館が大好きです。世界中の色んなことが知れる本がたくさんあるからです。メディア良化法の所為で、なかなか本が買えない時代になったと言われていますが、図書館には色々な本が揃っていて、私たちが読みたいと思えば貸出しをしてくれます。でも図書隊に守られている図書館も、私たちにどんな本でも貸し出してくれるわけではありません。特に未成年への貸し出しは良化法に基づいた基準があって、子供向きなものを選んでいると聞きました。図書隊は、良化法の全部を否定しているわけではないとも言っていました。図書隊は良化法のいい所を認めて、世の中に図書の貸し出しをしているんだそうです。メディア良化法は、特に未成年の健全育成を目的として作られたそうです。つまり、子供を守るための法律です。その基本はずっと守られて行かなきゃならないことだと思いました・・・」

 

ナオと共に堂上から話を聞いたアツトもまた、メディア良化委員会と図書隊の両方からの視点でまとめ上げていた。図書隊員を父に持つナオよりも、はっきりと図書隊寄りではあったが、どちらかを全否定するような内容では無かったために先生からお褒めの言葉を頂けた。

 

そんな二人を恨むように見ていたのは、レイナだ。

彼女の父親は完全に良化法寄りの官庁職員で、図書隊の存在を一方的に否定する内容だったために、小学生のレポートとしては少しばかり過激すぎた。ナオとアツトの二人が中立な内容だったこともあり、余計に目立ってしまって指摘を受ける形になった。それがとても気に入らなかったらしい。

 

 

「なーんか、ズルいわよね。図書隊って本当は、良化法を良く思ってないはずなのに、そんなことないっていい子ぶった内容にしちゃって」

「別に、いい子ぶってなんかないよ!実際に図書隊員の人が言ってたことだもん。嘘じゃないし」

「へえ・・・じゃあ、その人が図書隊を裏切ってるっていうことよ。検閲を許さないって言いながら、良化法にもいい所があるって?変じゃないの」

「だから、それはだんだん検閲が厳しくなってきたから――――

「そんなの、どうとでも言えるわよ!その人、嘘つきなのよ。う、そ、つ、き!」

レイナの口撃が止まらず、ナオは激昂してしまった。

 

「・・・嘘つきなんかじゃないもん!!絶対に、嘘つきなんかじゃないもんっ!!」

 

ナオの涙ながらの訴えは、レイナたちに失笑された。それを見ていたアツトは、無表情でレイナの前に立つ。

 

「あのな、俺たちに話をしてくれた図書隊の人が、嘘つきかどうかなんてどうでもいいよ。ただあの人は、俺たちが『公平な目で見たい』って言ったから、ちゃんとそういう視点で話してくれたんだ。真剣に考えて話してくれたことは、俺にはちゃんと分かった。だから信用できる大人だって思った。それだけ。お前がどう思うかなんて関係ないから、黙ってろ」

 

 

アツトの怒りに触れ、レイナたちは沈黙した。

ナオの涙も引っ込んだ。

 

 

 

 

 

**

 

 

 

特殊部隊の事務室に一本の内線電話が入り、図書館利用者が堂上を呼んでいると告げられた。滅多に無い出来事に、皆が不思議そうな顔で退室する副隊長の背中を見送った。

 

館内に入ると、呼び出したのが誰だかすぐに分かった。ランドセルを背負ったその横顔が、少しだけ安堵したのも確認できた。

 

「アツトくんだったか。どうした」

「お忙しいのに、すみませんでした」

頭を下げるアツトの肩に手を置いて、堂上は書架から遠いベンチへ誘導した。

「何かあったのか」

「・・・この間の宿題、先生に凄く褒められました。ありがとうございました」

「ちゃんとまとめられた、ってことだな。アツトくんの力だ」

背中をちょっとだけ強めに叩いて激励した。

「俺もナオも相談したわけじゃないけど、似たような内容になってたんです。だから、ナオも褒められてました」

「そうか」それは穏やかに笑って見せる。

「・・・だけど、クラスのヤツが余計なこと言ったんです。図書隊の人が良化法を認めてるなんて、嘘くさいって。嘘つきだって・・・」

「そうか・・」

今度は更に優しい笑顔をして、チラリとアツトに視線を向けた。

「ナオ、怒っただろ」

「はい、泣いてました。すごく悔しかったんだろうなって思って。あいつ、どじょうさんのこと尊敬してるって言ってたから」

「いや・・・それは俺じゃなくて、お父さんのことを言われたからだ」

「え?」

「ナオは、ちゃんとお父さんにも話を聞いてる。俺の所に来たことも話したんだ。進藤さんからお礼を言われた。ついでにどんな話をしたのか聞いてみた。俺もちょっと興味があったんでな。そしたら、意外にも俺と同じようなことを話したようなんだ。良化法の始まりは、決して悪法ではなかったはずだって。行き過ぎた規制が、その方向性を歪めてしまって、社会の全てを取り締まることが正義のように勘違いしちまったんだと思う・・・と。だから、ナオはお父さんを嘘つき呼ばわりされたのが悔しかったんだと思うぞ」

「・・・そっか・・」

アツトは気の抜けたような返事をした。

「ナオを励まして欲しくて、俺のところに来たのか」

「はい。ナオは、どじょうさんに褒められるのが一番嬉しいみたいだったから」

「家族以外では、きっと俺と一番話をしてるんだよな。小さい頃から、思いついたこと何でも話してくれてたんだ。俺は父親とは違うから、いつでも甘やかすだけ甘やかしてやった。だから俺の所に来てたんだろうな」

堂上は軽く声をあげて笑い、アツトの肩に腕を回した。

 

「なあ、アツトくん。ナオのことちゃんと見てくれてありがとうな。これからも、ナオの話を聞いてやってくれ。きっと・・・そろそろ『どじょうさん』は卒業するだろうから」

「・・・え?」

 

アツトの疑問の声には返事をしなかった。

代わりに、小さい頃のナオの特殊能力を「進藤さんには内緒な」と前置きをして話してやった。

 

 

 

 

**

 

 

 

 

「・・・俺は嘘つきだな」

 

郁が寝室の灯りを消したと同時に、堂上はポツリと呟いた。

「なあに?誰に嘘ついたの?」

「ん・・・ナオ」

その答えで、何について堂上が“嘘”をついたと言っているのか予想ができた。

「この間の、良化法についての宿題・・・ね?」

「図書隊側と良化委員会側と、中立な意見を心掛けたんで、一番重要な事実は言えなかった」

言いながら堂上は郁側へ寝返りをうち、胎児のように背中を丸めた。郁は「あらあら」と堂上を包み込むようにして、背中をそっと摩った。

 

「良化法は・・・初めから悪法だったわけじゃない。規制を強化していく中で、全てが過ぎた行為になっていった結果だ、と言った。多分、俺の話した事を進藤さんにも伝えたんだろ。進藤さんも同じ意見として話してくれたらしい」

「そ・・・なら、間違いじゃないんじゃない?小学生に考えさせるんだから、善悪をはっきりさせなくてもいいじゃない。ナオちゃん自身が判断すればいいことだもん」

「ん・・・だが、良化法が『世紀の悪法』とまで言われるような方向に進み始めたきっかけは、図書隊の設立だったってこと・・・そもそも図書隊は、良化法無くして成立しない組織だってこと・・・ナオが後で気が付いたら、何て思うだろうな」

自身の中で渦巻く闇を吐き出すのに後ろめたさを感じているからか、堂上はわざと声をくぐもらせるように更に背中を丸める。

「それは・・・篤さんが気に病むことじゃないよ。あたしたちが生まれた時には、すでに図書隊は設立されてた。図書隊は専守防衛。決して、良化隊員を傷つけるために戦ってきたわけじゃない。それは、一緒に本を守ってきた進藤さんだって分かってる。だからきっと、ナオちゃんのフォローはしてくれるよ」

 

郁は堂上の背中を摩る手に力を込めた。それに応えるように「分かってる、分かってる」と幾度か繰り返した堂上は、母親の腹の中で守られてる赤子のように、丸まって眠りに就いた。

 

 

 

 

 

 

**

 

 

 

 

数日後、郁は手塚と共に武蔵野第二図書館へ出張のため、堂上より早く出勤をした。

そういうイレギュラーな日は、堂上が子供たちの登校&登園の準備をする。そして堂上が登校に付き添う時は決まって、待ち合わせ場所にナオたちより先に到着する。

 

「あ、どじょうさーん!」

「おはよう、ナオ、コウタ」

「「おはようございまーす!」」

 

いつもと変わらないナオの挨拶を聞いて、堂上はつい安堵の表情を見せた。

「ん?なに?どじょうさん、何かあった?」

即座に質問されて、若干慌てる。

「いや、何も。それよりナオ、この間の宿題、好評だったようだな」

「え?!なんで知ってるの?」

「アツトくんが図書館に来た時に教えてくれたんだ」

「・・・へえ。アツトがね・・・もしかして、何か聞いた?」

このナオの鋭さは今に始まったことではないのだが、本当に驚かされる。

「ナオには隠し事が出来ないな・・・確かに、聞いた。クラスメイトに嫌なこと言われたんだって?」

「嫌なことっていうか・・・図書隊のことバカにされたような気がして。なんか、腹立ったんだよね」

「そうか。図書隊か」

「うん。だってさ、図書隊が良化法を良く思ってないのは、みんなに自由に本を読ませてあげたいって思ってるからで。でも本の中には子供には良くないものもあるから、それはやっぱり見せたくないって、あたしたちを守ってくれてるんじゃん!その部分は、良化法と同じ思いなんだって認めてるってことでしょ?なのに、どっちにもいい顔して、いい子ぶってるとか、ホント、ムカつくっ!」

ナオは興奮気味に「レイナの方がいい子ぶってるっつーの!」と吐き捨てた。

「まあまあ、そんなに興奮するな。図書隊に関係ない一般人なら、そう思っても仕方ないんじゃないか?」

「そうかもしれないけど・・・やっぱり図書隊を悪く言われるのは、ムカつくんだもん!」

素直な意見に思わず笑みが零れた。

 

「あたしね、本で読んだことがあるの。図書隊って、良化法が無かったら存在しなかったんだって。メディア良化委員会が検閲を始めたことに対抗するために図書隊は生まれたって。だからね、どじょうさんとお父さんの話を聞いた時、ちょっと嬉しかったんだ。図書隊は、良化隊を敵として見てるだけだと思ってたから。でもそうじゃなくて、相手の良いところも認めてるって言ってたの、すごくカッコいいって思ったの!」

 

堂上は目を瞠った。

自分が言えなかった真実を、ナオは既に知っていたこと。そしてそれを知った上で、自分たちの思いを理解してくれていたことに驚いた。

 

「ホントに・・・ナオは凄いな」

「何それ。どじょうさん、昔から時々それ言うよね」

「言葉の通りだ。ナオは凄い!」

堂上は遠慮せずに、豪快にナオの頭を撫でた。お年頃の女の子だから、髪の乱れを気にするだろうなんてことは遅れて気が付いた。だが、ナオが嬉しそうに笑っているのを確認して、その手を緩めることはしなかった。

 

「どじょうさんに聞いて欲しい話があるの」

声のトーンが少し変化したのに気付き、堂上はやっと手を止めた。

「あのね、アツトのことなんだけどね・・・」

そう言ってナオは傍らに立つ二人に視線を遣った。

「あー・・・コウタ、くーちゃんと先に行って、アツトと待っててくれる?」

「うん、いいよー!じゃ、いってきまーす!」

「パパ、いってきまぁす!」

二人の背中に向かって「走らない!」と叫んだ後、ナオは改めて堂上を見上げた。

 

「レイナに嫌味言われた時、アツトが庇ってくれたの。凄く嬉しかったんだけど・・・お礼が言えなくて。何となく、恥ずかしいんだよね」

「・・・ナオは、アツトくんのことが好きなんだな」

「やっぱり、そうなのかな?」

小首を傾げる仕草に、堂上は懐かしさを感じた。それはナオが幼い頃、彼女の仕草が郁のそれに似ていて、可愛くて仕方が無かった想いの再来だ。

「アツトくんを好きだと思うことに、困ってるのか?」

「うーん・・・よくわかんない。ただ、アツトってモテるんだよね。アツト狙いの子、結構いるの。そういうの聞いてて、なんかムカついたり・・・気にしないようにしてるんだけど、気になっちゃったり・・・」

「正直に言えばいいんじゃないか?彼なら、ナオの言葉をちゃんと聞いてくれると思うぞ」

先日、堂上からお願いをしたのだが。そんなことをしなくても、アツトの“ある想い”は確定だと思っていた。

 

「アツトくんは・・・いい子だ。それは自信を持って言える」

「そう?ホントにそう思う?」

「ああ。ナオは見る目がある!」

再び頭を撫でると、ナオから「えへへ」と照れ笑いが聞こえた。

 

「あのね、どじょうさんに聞いて欲しい事、もう一つ」

「なんだ」

「アツトってね、どじょうさんの名前と同じ字を書くんだよ!」

「ん?・・・篤って漢字か」

「そ。“篤い人”って書くの」

「そうか。何だか、他人のような気がしないな」

堂上の頬が緩んだのを見たナオは、満足気に笑って数歩離れた。

 

「それを知った時、すごく嬉しかったの。何で嬉しいって思ったか、今わかった!

 

 好きな人の名前に、初恋の人の名前が入ってるからだ!!」

 

 

それは堂上には眩しいくらい、くすぐったい告白だった。

僅かに心拍が上がったことは、郁には内緒にしておこうと思う。

 

「そうか・・・それは、良かったな!」

 

口角をあげてやると、ナオも真似てニヤリとする。

 

 

 

 

 

 

 

「あたし、見る目あるでしょ!

 

 ね、“堂上さん”!!」

 

 

 

 

 

高らかな卒業宣言をして、ナオは篤人たちとの待ち合わせ場所へ走り出した。

 

 

 

 

 

 

fin






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逢いたい

やさしい風

comment iconコメント ( 4 )

大人の階段のーぼるぅ♪

わぁーん!(>_<)
ナオちゃんが、どじょうさんを卒業しちゃった!
さーみしぃーっ

悠さんならではの視点!!さすがです!脱帽です!

いいなぁ堂上さん。素敵だなぁ。
子供にも誠実で公平で。おべっか使ったり、軽くあしらったりせず、信頼出来る大人で。かかんなお年頃の女子の扱いが素敵だ。パパのこともさり気なく認めて…パパの存在を際立たせる、絶妙な一手を。
はぁー…惚れ直したなぁ
篤人くん、上辺だけの女に騙されちゃなんないぞ!感情的な女子はたーくさんいるが、それを抑えられる公平な目を持つナオちゃんこそ、最高にいい女だ!

将来、交際したら進藤さんはどんな距離感なんだろー(笑)
悠さんは進藤さんが大好きなんだというのは、よーく伝わってきた!
新作お待ちしていました♡堪能させて頂きました!

名前: aya@屋根裏部屋 [Edit] 2017-08-29 05:22

ナオちゃ~ん!

 こんにちは。
 このシリーズ、大好きで、また読めるなんて!嬉しすぎる!!

 ナオちゃんの「どじょうさん」が最後に直ってしまったわ~。成長したんですね。アツト君はしっかり見極めができる男子なんだな。

ナオちゃんにほんとのことを言えずにいたことを郁ちゃんに話すシーン、普段は、堂上さんが郁ちゃんを包んで支えているけど、郁ちゃんが堂上さんを優しく包んであげて❤いい夫婦だな~と思います。

 もちろん、いつもはおちゃらけ進藤さんも、しっかりナオちゃんの宿題に付き合って話しているとこ、すてきなパパです!

 いつも悠さんのお話に引き込まれ、今回はナオちゃん、アツト君と共にお勉強させていただきました!

名前: うりまま [Edit] 2017-08-29 14:19

成長とは

お祝いありがとでやんす。

久しぶりの大好きなこのシリーズ。
成長って見守ってても、いざそれを目の当たりにすると嬉しいのになんだかしんみりとしちゃった。
どじょうさんもきっと早めの娘に対するパパの気持ちかしら。

悠ちゃんのあったかくて優しくなるこのシリーズ。
今回もほっこりもあり、しんみりも感じ、そしてまた読みたくなる素敵なお話でした。
ありがとう。

じゃ、次はパラレルの続きにいこうか?(笑)

名前: ジョー [Edit] 2017-08-29 16:32

ついに

難しいテーマの宿題をアツトくんとやり遂げ、手伝った教官でしたが言えなかった設立の理由もナオちゃんはちゃんと受け止めてましたね。その事で郁ちゃんに力に甘えている教官が可愛か😆最後にサラッと好きな人と初恋の人に同じ名前が付いてるって告白して、ナオちゃんがドジョウさんから卒業しちゃいましたか❗次はナオちゃんとアツトくんのその後をお待ちしてます💕

名前: torotan [Edit] 2017-08-29 20:36

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