はい、前作「今日から、よろしく」の続き。
堂上夫妻引っ越し翌日の朝のタスクよりお届けします。

タスクですから、くだらなさ100%です。
箸休めにどうぞ。。。



※あやちゃん、こんなんでいいかい?






タスクより愛をこめて

 

 

 

今日も、よろしく

 

 

 

 

 

「おはようございまーす!」

「おう、小牧ぃ!昨日はご苦労だったな」

「いえいえ。結構楽しかったですよ。引っ越し作業♪」

進藤たちに笑顔で返し、小牧は自席の隣りを見た。

「あれ?堂上は、まだですか」

「ああ、珍しいよな」

「いやいや、お前たち分かるだろう!昨日は新居初日だぞ!言ってみれば、新婚初夜だぞっ!!!」

進藤の言葉に皆が顔を見合わせ、「「「うぇ~~~い!」」」と拳を合わせる。

 

「で、どんな感じだった?」

「どんなって・・・ひとつ言えることは、笠原さんがメチャクチャ緊張してたってくらいですかねぇ」

「ほほ~う。緊張ねぇ・・・」

そこへ手塚が登庁。

「お!手塚、お前も昨日はお疲れさん」

「おはようございます。何だか盛り上がってますね」

「や~!堂上がまだ来ないから、昨夜はどんな初夜を迎えたんだかって話でなぁ」

進藤の明るい声を余所に、手塚はジト目で距離を取った。彼はこの手の下世話な話題に入りたがらない。皆、知っていることなので敢えて誰も突っ込むこともない。

 

 

 

 

「おはようございます」

「おはようございまーす!」

堂上夫妻がやって来た。

 

「よっ!ご両人!!」

「揃ってご出勤とは、仲がいいねぇ」

異様なほどテンションの高い進藤一派。二人は訝しんだ顔を見せた。

「仲がいいって・・・あたり前じゃないですか?一応、新婚ですから」

堂上の声が幾分冷ややかだ。

「そ、そうですよ。無暗に煽らないでください」

郁は想像通りの照れっぷり。だが、ちょっと大人し目だ。

「なんだよぉ、そんな冷たい反応するなよー」

「っていうか、なんか笠原、元気無いな」

「うん、怠そうだね。大丈夫?」

小牧は昨日の引っ越しを手伝った身として、郁の疲労具合を気にした。

「おいおい、堂上。お前、少しは手加減ってものを覚えろよ」

「は?」

この世の中で一番短く、でもちょっと怒りを含んだ疑問形の声。堂上は何となく進藤たちが高揚していた理由が読めたのだが―――

「あー、確かに怠いんです。特に頬のあたりが筋肉痛みたいに」

「・・・笠原、その、なんでそうなったのか、理由を聞いてもいいか?」

ビックリするくらい遠慮した聞き方をされた。

「んー、どうしてでしょう?あたしには思い当たる節は・・・って、あー、ほら、口を開けると何か違和感。だから、ご飯食べるのに時間かかってしまって、ちょっと遅くなっちゃったんですよー」

郁は両手で頬を挟んで、口を縦に大きく開けたり閉じたりしながら、筋肉の具合を確かめていた。その話を聞いて、進藤たちは顔を見合わせる。ちょっと困ったように、でも引き攣るような笑顔になってしまうのを抑えきれない様子。

「あ?どうしました、みなさん?」

「いやー、まあ、糖害は今更だからいいんだが。もうちょっと俺たちが弄れる内容だったらなーとか、なー?」

「うんうん。ちょーっと俺たちには刺激が強すぎるって言うか」

「ん?刺激?」

郁のきょとん顔が晒されたところへ、柴崎が書類を手に芳醇な空気を連れて来た。

 

「皆さん、おはようございまーす!隊長、いらっしゃってますかぁ?」

「おう、おはよう。隊長かぁ?まだ見てねぇな」

「あら?うちの部長が、朝一で話したっていう資料を持って来たんですけどね。じゃ、緒形副隊長、預かっていただけますか」

「了解」

「じゃ、私は急ぐので」

すちゃっと軽い敬礼をして部屋を出て行こうとした柴崎だったが、向きを変える途中で郁を確認し動きを止めた。

「笠原!早いわね・・・あ、そっか。教官と一緒に登庁だものね」

独身の時に考えられない早さだったのだろう。小牧はついつい笑ってしまった。

「ま、一応、今日だけは一緒に行こうって話してたの。でも、これでも予定より遅くなったんだけどねぇ」若干悔しそうだ。

「ふ~ん。なーんか、笠原元気無い?昨日の疲れが出たの?」

「そうなのかなぁ?なんかね、顔が筋肉痛って感じでさ」

「珍しいわね。アンタらしいけど」

「そうだよねぇ。こう、口を開いたりするとさ、なんか違和感あってねぇ」

さっきの説明を繰り返す。それを見ている進藤たちの、なんとも居た堪れない空気が柴崎に伝わり、不思議に思った柴崎はタスクメンバーの表情をくるりと見渡した。そして、心底納得したという頷きひとつ。

 

「どしたの、柴崎」

「ふふふ。笠原、そして堂上教官。なんだかあらぬ誤解を生んでいるようですね」

「誤解?」わけわからん、な郁と、やっぱり、という溜め息の堂上。

「笠原、アンタのその顔面筋肉痛、教官の所為じゃなぁい?」

「え・・・教官?」

「柴崎!お前、誤解だと言って―――

「あー、大丈夫です。教官の所為って言っても、皆さんの妄想したようなことではなくてですね。アレですよ、ア・レ」

そう言って柴崎は、右手の指を立て1、2、3、と徐々に増やしていった。一瞬の間があって、堂上がハッとしたようだった。

「教官、作戦成功したんですね?」それこそ魔女の微笑。

「ん、まあな」バツが悪いといった感じではあったが、それなりに満足気な堂上。

 

「笠原、アンタ、昨日は随分悶えたんじゃなぁい?」

悶える・・・なんてワードは、進藤たちの想像を掻き立てるのだが。

「あーっ!そう言えば、アレ、柴崎の作戦だって教官言ってた!!」

「ふふ・・・どうだった?良かったでしょ?」

「うんうん♪もうね、きゅんきゅんしてね、ドキドキしてね、大声出したいくらいでね、ホントは床とかソファーとか叩きたいくらいだったけど、ご近所のご迷惑だと思って我慢してね、とにかくじーっと教官のこと見てたの!ニヤニヤが止まらなくて、頬が引き攣っちゃうくらいだった!あ・・・だから筋肉痛なんだね!」

興奮状態の郁は、柴崎に報告することしか頭にないようだ。それに気付いた進藤たちは、次に来るであろう糖害被害の規模を瞬時に予測した――――が。

 

「もうね、教官、カッコ良すぎて、鼻血出そうだったぁぁぁぁ!きゃーーーっ!」

 

 

これは予想をちょっと超えていた。

堂上が真っ赤になったくらいに。

 

「ああ、スッキリ。昨日、大声出せなかったから、ちょっとストレス溜まってたかも」

「アンタ、寮だったら確実に床にローリングだわね」

「うん、そうなの。ホントに、転がりまわりたいくらい、腰巻バスタオルの教官はカッコ良かったよぉぉ!目に焼き付けようって必死になっちゃった。でもあたし、記憶力に自信無いから・・・あ、教官!今度、写真を―――

「却下だっ!」

「えーっ!ケチーっ!!」

「アレは、普段の俺じゃないって言っただろうが!」

「でもぉ、もう一回くらい見たいなぁ。ね、普段の教官は、明日からでいいですから。今夜は昨日と同じ仕様で、是非とも!!」

堂上はチラリと視線を流した。

「・・・今夜は、普段の俺じゃなくていい、だと?ほほう、そうか。夜も、普段の俺じゃなくていいんだな?」

「・・・あれ?」

「あれ?じゃない!昨夜は柴崎の作戦を終了させてから寝室に入ったの、覚えてないのか」

「そー、だった、かなぁ?」

「そうだったぞ? だから、引っ越しの疲れと、翌日の仕事のことを考えて、かなり手加減したんだが・・・普段の俺じゃなかったら、一体どうなるんだろうなぁ?」

どうなるの? と、郁の声が聞こえてきそうな間があった。

タスク事務室内に、妙な期待感が充満する。

 

郁の思考は、悶えまくった堂上の萌えポイントでいっぱいになったのだろう。徐々に顔を赤く染めながら、己の欲求を満たすことへ意思が傾いたようだ。

見たい・・・とにかく、あの腰巻バスタオルの堂上を写真に収めたい・・・だからここは、未知の世界である「普段と違う堂上との夜」に一歩踏み込んでみようかと・・・腹を括った。

 

「わ、わかりました。あ、あ、あたし――――

 

「ちょーっと待ったぁぁぁぁぁ!!」

 

 

進藤が郁の宣言にストップをかける。

「柴崎、これを聞いたら、俺たちは明日の朝までずーっと妄想してなきゃならんのか?」

「・・・したくなくても、しちゃいますよね、妄想」

「それは勘弁だな。俺たちは、一般的な夫婦の営みを想像して、堂上を弄りたいだけだ。生々しいのは要らん」

「ですって。堂上教官、そういうのは夫婦だけの時にやってください」

「そうだぞ。今朝は糖害被害が過ぎるぞ!」

「あ、あんたたちが勝手に妄想しただけでしょうが!!」

堂上の反論も聞く耳持たず。進藤は人払いをするようにして、今朝のルーティーンを終了させた。

 

 

「く・・・っそ。結婚しても変わらずか」

「ふふふ。結婚したら、弄られポイント増えるでしょうねぇ♪」

「柴崎!お前も、根本的には進藤一派だな?」

「ほほほほほ!どのように思っていただいても結構です。でも、私は基本、笠原信者、ですからね。お間違いなく~~~♡」

手をひらひらさせて退場する柴崎の背中を見送りながら、「俺だって」と呟いたのは聞こえただろうか。

 

堂上が気持ちを立て直す間もなく、緒形から朝礼開始の号令がかかり、朝の貴重な時間を無駄に過ごしてしまったことに気が付いた。更に怒りが湧いてきていたから―――

 

 

「朝礼の前に、新居に引っ越して気持ちも新たに任務に就く堂上と笠原から、何か一言もらおうか」

緒形が新婚隊員に恒例で振る挨拶を、堂上と郁に促した。

 

 

過去の新婚隊員挨拶が、皆の脳裏に過る。

《家族のために頑張ります》

《気を引き締めて邁進します》

《今後もご指導ご鞭撻のほど…》

 

 

 

あの人たちのご指導ご鞭撻だと?

郁に余計な指導されたらたまったもんじゃない!

何が気持ちも新たに、だ

何も変わらんじゃないかっ!!

 

くっそぉぉぉぉぉ!

 

 

 

 

「・・・今日、よろしくっ!」

 

 

 

 

 

 

弄られっ子=堂上ならではの、伝説のご挨拶になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

fin

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伝えたいことがあるんだ

今日から、よろしく

comment iconコメント ( 6 )

ぐへっぐへへへへっ

こっちも読みながらニヤニヤしすぎて、頬肉が筋肉痛になり、目尻のダーツが刻銘になりそうですがどうしてくれますかっ?
あ、篤さんったら!
「昨夜は手加減した」とか言っちゃって!ワキが甘い♪だから弄られちゃうんだよー(ご馳走様デース)
よし。堂上家恒例行事として、妻のリクエストに応え、妻を悶えさせる日というのを作ろう。うん。家族サービスの一環だからな。
決定!!

篤さん、早くやらかして「なんでも一つ言う事きく」って言って?(笑)

名前: aya@屋根裏部屋 [Edit] 2017-05-14 13:18

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名前: - [Edit] 2017-05-15 00:23

肉体美(笑)

お弁当食べながらニヤニヤしちゃって( ̄∀ ̄)

進藤さんたちがちょっと引いてる姿が貴重ですね〜
砂糖の袋をちょっとつついたら思いの外大きく穴が空いちゃいましたねww

堂上さんの腰タオル姿…
濡れた髪に、ビール飲む姿…
(〃艸〃)
ヤバいです。悠さん!あたしこのままだとヘンタイです(笑)
ニヤニヤ止まらなーい!

郁ちゃんが写真撮りたい気持ちよーくわかる♡
高く売れるだろうなぁ〜( ̄∇ ̄)

名前: yuca [Edit] 2017-05-19 12:54

ayaちゃんへ

笑いが変態仕様になってますぞ(笑)
でもね、気持ちは分かる。
物陰から、こっそりと教官を見つめてみたい…これは我々の願望です!
それで捕まってもいい。本望だww

悶えさせる技、ちゃんと考えないとな。
数ある中から厳選して、これからのSSに活かしていこうじゃないか!

名前: 悠@youBB [Edit] 2017-05-23 21:55

nonorinさんへ

ありがとうございますm(__)m
糖のダダ漏れって、タスクは大変ですよね(;'∀')
慣れるものなのか?とも思いますww
結婚しても堂上さんを弄るのはタスクの特権、とか思ってそう(笑)
でも愛ある弄りですから、堂上さんも満更でもないの。
その信頼関係?好きなんです♡

名前: 悠@youBB [Edit] 2017-05-25 00:41

yucaさんへ

郁ちゃんじゃなくても、ヨダレもの・・・♡
これは妄想を実写化して頂いて♪
きゃーーーっ(≧∇≦)
岡田くんっっ♡
連写だ!動画だ!!ズームアップだ!!!

(ローリング中)

名前: 悠@youBB [Edit] 2017-05-28 20:34

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