新作です♪
今回は某ドラマの最終回を観て、悶えた~~!って作ったお話です。

あのシーンを堂郁でやりたかった。
ただそれだけです(笑)
短いでーす(*'▽')






糖害報告書 2 天使とハグ

 

 

 

 

 

 

>>笠原、状況は?

「こちら笠原。二階閲覧室、異常ありません」

>>一階の状況を把握する。指示を待て

「了解!」

 

 

先程、館内で騒ぎがあって、警備担当していた堂上班員はイレギュラーで単独行動となってしまっていた。早く本日のバディである堂上の元へ向かわなければ…と思いながら、郁は無線からの指示を待っていた。

 

 

>>笠原、一階エントランスに堂上と手塚が待機中。合流せよ

「了解です」

 

 

防衛部の指令室には青木が駆けつけてくれていた。郁の希望が通ったかのような指示にホッとしながらも、早くバディの確認をしないと何となく落ち着かない気分だ。

判断ミスをしないよう逸る気持ちを抑え込んで、郁は階下へ向かう歩みを始めた。と、そのタイミングで無線が一斉チャンネルに切り替わる。

 

 

>>手塚より報告。堂上二正、負傷。左上腕部・・・

 

 

「え?きょーかん?」

郁は堂上の名前を聴いた途端走り出し、手塚の報告など耳に入っていなかった。

堂上は先月、長い戦線離脱から復帰したばかり。まだ被弾した足の状態も万全ではない。郁が堂上の姿を確認しないと落ち着かなかったのは、それが理由だ。

 

堂上負傷の一報は、特殊部隊を含めた防衛部員全員に知らされた。皆一様に驚き、焦り、心配の表情で一階エントランス付近を目指す。

郁も例外ではなく、自慢の足を活かして階段を一気に駆け下り始めた。

 

二階から一階へ、途中踊り場で直角に曲がる階段。

手摺りを利用して器用にカーブし、最後の直線に足を出した瞬間、一階フロアに立つ堂上の姿が見えた。

それはほんの一瞬だったのに、鼓動が早くなるほどのときめきと、最近増えた安堵の溜め息が入り混じる。

とにかく一秒でも早く堂上の元へ辿り着きたい気持ちだけだった。

 

郁の足は勢いを増し、階段をダダダダっと雪崩のようにスピードを上げて降りて行く。

 

 

――と、止まれな~~~~いっ!!!

 

 

堂上、手塚の周りに徐々に集まってきていた隊員たちも加わり、足音が騒がしい郁へ視線が集中した。

一番手前にいた手塚は、慌てた様子で手を出した。当然、郁を受け止めようとしたものだろう。だが、その手を郁はパシンっと払い、一直線に堂上の元へ・・・

 

 

 

 

ぽすんっ

 

 

 

 

かなりの勢いだったのにも関わらず、堂上は郁を意とも簡単に受け止めて見せた。

身体は微動だにしない。どこかに痛みを感じている様子も無い。

 

「あ、あああああ!きょ、きょーかん!!怪我したって!?」

「ん?ああ、大丈夫だ。スリがナイフを振り回した時、刃先がちょっと掠っただけだ。それよりお前、脚は?無理して駆け下りてきただろ」

「はい・・・ダイジョブデス・・///

 

郁はホッとして項垂れた。額が堂上の肩に乗る形で息を整えながら「よかったぁ」と呟いた。その呟きに堂上はそっと笑みを零し、負傷してない右手を郁の背中に回しトントンとリズムをとる。

 

 

「堂上、ごめん。二人の甘~い時間を邪魔したくはないんだけど、仕事中だからさ。それに、手塚が・・・」

小牧の言葉に我に返った堂上と郁は、真っ赤になりながら少しだけ体を離した。気になった手塚を見ると、なんとも悲し気に片腕を宙に浮かしていた。

「せっかく笠原を受け止めようとしたのに・・・」

「手塚、泣くな!お前には俺たちがいる!」

「・・・・」

 

「あ。ご、ごめん、手塚ぁぁ!!」

顔の前で手を合わせて「無意識だったの!」と懸命に言い訳する郁。

「無意識ってのが・・・笠原さんらしくて・・・ぐはっ!」

小牧がいつもの如く笑い崩れ、タスクの面々は溜め息を吐きながら「そりゃ、無意識に堂上に向かって行くわなぁ」と手塚の肩を叩いて慰める。

 

堂上の長期入院中に漸くまとまった二人。

退院してから隊内でもイチャイチャOKとなってはいるが、そこは公私混同しない二人。あからさまなイチャつきは、誰も予想していないタイミングでご披露される。

今回もタスクの面々には「これだから、糖害加害者は・・・」的な反応をされ、郁は恥ずかしさとちょっとした反抗心で赤くなった。

 

「あ、あたしだって、こんな色気も無い状況で抱きとめてもらおうなんて思ってなかったもん!」

 

ぷくりと膨らんだ頬に、堂上はついつい手を延ばしてしまう。

「じゃ、どんな状況なら良かったんだ」と頬を潰す。

 

「んー・・・ハグ・・・ハグがいいです!」

「ハグ?」

「はい!こう・・・ちょっと距離があっても、腕を広げただけで気持ちが通じて、軽く抱き合うって感じ?」

「ほう・・・やってみるか?」

「え?」

 

郁の返事を待たずに、堂上が腕を広げて向き直った。

きょとんと動きを止めた郁だったが、すぐにニパっと笑顔を見せると、堂上と同じポーズで両腕を広げた。

 

一呼吸おいて、「やっ!」と掛け声を発すると、とととっと堂上の元へ歩み寄りぽすっと懐へ潜り込んだ。

 

 

「へへへ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

郁の満面の笑みは、糖害被害者の皆さんにのみ晒された。

「・・・なんだ?あの可愛い生き物は」

「今、意識が飛びました」

「悶えてたよ、俺」

「床に転がりたいです・・・」

 

 

「・・・小牧はすでに転がってるぞ。遠慮なく転がっとけ」

 

進藤たちの溜め息がエントランスに充満した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Fin

 

 

 


関連記事
スポンサーサイト

手紙3(完)

ひとりごと

comment iconコメント ( 22 )

No title

こんばんは。郁ちゃん、無意識に手塚の手を払ってるって。堂上さんの胸に飛び込みたいですよね。甘い、甘いなぁ❤二人のの糖度が高めで私は、嬉しいです!

名前: うりまま [Edit] 2016-12-24 00:35

こんにちは!コメントはじめて書かせていただきます

郁ちゃんがかわいすぎてニヤニヤしてしまいました
その場で私も糖害を受けたい~♪

なんでにやけてるの?と、子ども達に言われる前に顔を戻すのは無理でした

新しいお話し読めて嬉しかったです
またお邪魔させていただきます(^o^)

名前: ことりんご [Edit] 2016-12-24 10:03

お客さん、ニヤニヤしてますよ?

ナゲット300個ご予約の方、お待たせしてすみませーん。

あ、でも、お待たせしちゃいましたけど、すっごい楽しそうでいらっしゃいましたね?マスクの下、ニヤニヤが隠せなくて、高校生たちからチラチラ見られていらっしゃいませんでしたか?
妄想力で、ロスを癒す。我々ならではの芸当ですな(笑)もとは、図書戦とて、そうだもの♡

いやしかし。かわいい「やっ!」を、公衆の面前でっ!たまらんやろうなぁ、堂上さんも、みんなも……あなたも!(笑)

名前: aya@屋根裏部屋 [Edit] 2016-12-24 22:03

こんばんは。

夜読んで良かった。
職場で読めないですって(笑)
毎年ですが、仕事と家で三が日まではバタバタしてます。まぁその後も後始末で結局10日位まで落ち着かないです。が、頑張って覗きに来ますから~

名前: S.A [Edit] 2016-12-24 23:07

甘~いわ❤

merryX'mas✨🎄✨悠さん。久々の糖害報告書、教官がケガ!?で飛び出したけど腕を広げて待ってくれていたから迷わず飛び込むなんて可愛すぎるわ❤気を使った手塚は残念だったけど、安定の糖害ばら蒔きで、今日も関東図書基地特殊部隊は平和ですね😁

名前: torotan [Edit] 2016-12-25 09:12

甘い❤

メリークリスマス🎄悠さん、待ってましたの悠さんの糖害❤甘い❤甘い❤郁ちゃん可愛いすぎてノックアウトです💕飛び込まれたらねえ(笑)手塚くん…ドンマイ!ニヤニヤ💕です!良かったです💕

名前: ぴー [Edit] 2016-12-25 14:58

悠さんごんばんは(〃∇〃)
わーわーこの郁ちゃん、すごくかわいいです////
もう私がバグしたいくらいです(〃∇〃)なんですかこのかわいい生き物はっ/////
やっぱり悠さんのお話が大好きです。ここで拝読できるのも嬉しいですが、いつかまた同じ場所でお話を読ませてください。待っている方がたくさんいますよ(〃∇〃)そしていつか悠さんとコラボさせてください(それは有り得ないですがそれくらいの気持ちで私は待っています!)
優しい悠さん、素敵なクリスマスをお過ごしくださいね(//∇//)

名前: ほとわもこ [Edit] 2016-12-25 21:18

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

名前: - [Edit] 2016-12-25 22:09

こんばんは。
手塚がかわいそうで、笑いました。
そして、教官はさすがです。

また、お邪魔します。(^o^)/

名前: よもぎ萌黄 [Edit] 2016-12-26 00:59

うりままさんへ

手塚に落ち度はないんですが・・・
ごめんよ、手塚(ノД`)・゜・。
私の願望がそうさせてしまったのです(笑)
とにかく甘く!がモットーのシリーズなので♪

名前: 悠@c.you [Edit] 2016-12-26 20:58

ことりんごさんへ

コメントありがとうございます♡
来ていただけて嬉しいです(*'▽')

ニヤニヤを晒してしまいましたか?
大丈夫でしょうか・・・
「お母さん、最近 変なの!」って報告されないよう気を付けてくださいね!!

名前: 悠@c.you [Edit] 2016-12-26 20:59

ayaさんへ

ホント、待ちましたよぉ。。。
コーヒーサービス、一杯じゃ納得いきません!!

え?高校生??
どうせ「あのおばちゃん、笑ってんぜ?」てな感じだったでしょうよ。
ふんっ!いいのさ。あたしは妄想家なのだから~(∀`*ゞ)

妄想ついでに、今度「やっ!」ってやらせてくれ(笑)

名前: 悠@c.you [Edit] 2016-12-26 21:03

S. Aさんへ

(∀`*ゞ)エヘヘ
すんまそん。思わず顔が緩んでしまうお話でww
確かにね、他人がみたら引きますね(笑)
私も書きながらニヤニヤしてまして。
家族、ドン引きですわ(;'∀')

年末年始、忙しそうですね。
身体に気を付けて、良いお年をお迎えください!!

名前: 悠@c.you [Edit] 2016-12-26 21:06

torotanさんへ

遅ればせながら、メリクリ!!
素敵なクリスマスになったでしょうか?

某ドラマにどっぷりハマっておりました。
初回から録画して、毎回を何度も見直し続けて一週間待つ生活。
最終回なんて、ほとんど毎日見てるし(笑)
そんな神回から、このシチュです♡
もう、郁ちゃん可愛くて可愛くて~~♡♡
私が抱きとめたいくらいよ!!!

名前: 悠@c.you [Edit] 2016-12-26 21:54

ぴーさんへ

遅ればせながら、メリクリ♡です。

甘くなりましたか?完全にドラマパクってますが(笑)
もう、あのシーンは、堂郁変換で楽しむばかりになってますww
なので、手塚!ゴメン!!なんです(笑)

名前: 悠@c.you [Edit] 2016-12-26 21:56

ほとわもこさんへ

もこちゃん、最後の日、見送ってくれてありがとう♡
そして、コラボ!!!それは凄く嬉しいな♪
私があっちに帰らなくても、もこちゃんとコラボは出来ると思うよ(*'▽')
是非とも実現したいです!!

それまで、可愛い郁ちゃんの妄想を膨らませておきます!

名前: 悠@c.you [Edit] 2016-12-26 22:00

nonorinさんへ

来てくださってありがとうございますm(__)m
これからも糖害撒き散らす覚悟で頑張ります(*'▽')
よろしくお願いします♡

名前: 悠@c.you [Edit] 2016-12-26 22:02

よもぎ萌黄さんへ

来てくださってありがとうございます♡

手塚、教官の前に立ってはいけません(笑)
そりゃ「邪魔」だわww

近いうちに手塚救済話を書きたいです。。。

名前: 悠@c.you [Edit] 2016-12-26 22:08

手塚ふり~ず!

かな?と思いながらニタニタ笑ってしまいましたv
こんばんわ!郁ちゃんの無意識ってところが、手塚には一番のフリーズ要因だったような気がするのは僕だけでしょうか(笑)糖害被害者会員の私としましては、その場で床に転がってましたよ(;´∀`)タスク面々の呟きが、なんだろう 染みますね💛楽しい作品をありがとうでした★

名前: うさぎっこ [Edit] 2016-12-30 19:21

No title

あまーいお話ありがとうございますv-10
読みながらニヤニヤしちゃいましたv-356糖害報告書大好きです❤︎こちらで新作読めて嬉しいですv-363

名前: かれん [Edit] 2016-12-31 10:00

うさぎっこさんへ

遅くなりましたが、新年おめでとうございますm(__)m
今年もよろしくお願いします♡

郁ちゃんの視界には教官しかいなかったと思われますww
きっと手が出てたことすら気付いてない(笑)
思いっきり払ってるでしょうね・・・(・∀・)ニヤニヤ
不憫な手塚救済作品を考えてまーす\(^o^)/

名前: 悠@c.you [Edit] 2017-01-10 12:14

かれんさんへ

来てくださってありがとうございましたm(__)m
そして遅ればせながら、新年おめでとうございます!
今年もどうぞよろしくお願いします♡

時々堪らなく甘い話が書きたくなります。
それはちょっとしたリハビリも兼ねてまして・・・
年初めも甘いの書こうと思ってますww
また来てください♡

名前: 悠@c.you [Edit] 2017-01-10 12:21

コメントの投稿